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●脳腫瘍
脳腫瘍手術に新技術…がんだけに集まる色素利用 |
2006/01/08 |
がんだけに集まる色素をレーザー光で光らせて、脳腫瘍(しゅよう)の取り残しを可能な限り少なくする新しい手術法を、東京医科大学のグループが開発した。
この手術法は、がん細胞に蓄積されやすい葉緑素由来の色素レザフィリンを、手術の12時間前に患者に注射する。手術の際に赤色レーザー光を照射するとがん細胞だけが赤く光ることを利用している。手術では光った部分のみを切除していく。この方法によりこれまで肉眼に頼っていた従来の方法よりもがん細胞の取り残しが少ない。ため再発の可能性を少なくすることができる。 |
脳腫瘍悪性グリオーマ治療、高放射線照射で生存率上昇 |
2005/11/07 |
脳腫瘍(しゅよう)の中でも悪性度が高く治療が困難とされている神経膠芽腫(悪性グリオーマ)の治療で、放射線を従来の限界とされてきた総量より1.5倍程度多く照射すると、生存期間が大幅に延びることが東京大医学部脳神経外科の藤堂講師らの研究でわかり、イギリス医学誌「ランセット・オンコロジー」に掲載された。放射線量の増大による副作用も多くなるが、死亡のリスクと比べた場合、治療成績の向上の方が大きいと判断できるという。
従来の治療では1日2グレイを30回で総線量60グレイ照射するのが一般的であったが、1日2グレイを45回程度で総線量90グレイの照射治療と比較した場合に、グリオーマで最も多い「神経膠芽腫」は、生存期間が3割程度伸び、次に多い「退形成星細胞腫」では、通常量の場合の22ヶ月の平均生存期間に対し、高線量の場合は半数が5年以上生存している。また、副作用も大半は軽い記憶障害であった。
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