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●術後医療
肝臓移植後のがん再発予防に提供者のNK細胞を利用 広島大学 |
2006/02/15 |
肝移植を受けた肝臓がん患者は、拒絶反応を防ぐために免疫抑制剤を投与されるために免疫力が低下し、がんが再発したり転移するケースが多いが、このようながんの再発や転移を防ぐため、提供者の肝臓の血液から抗がん作用がある特定のリンパ球を抽出し、患者に投与して免疫力を高める新たな方法を広島大学大学院のグループが2006年1月に臨床応用し経過が順調なことを米肝臓学会誌に発表した。
がん細胞やウイルスを攻撃するナチュラルキラー細胞(NK細胞)と呼ばれるリンパ球が、肝臓の血液に多く含まれることに着目し、末梢血などの約20倍のNK細胞を取り出すことに成功した。 |
小児がんの治療終了後支援体制について |
2005/10/22 |
小児がんとは15歳以下で発症する悪性腫瘍(しゅよう)のことで、大人のがんは、肺がんや胃がんなど管腔の表面の細胞ががん化する場合が多いが、小児がんの場合は、血液のがん・白血病が最も多く、リンパ節、交感神経節、腎臓、肝臓、筋肉、骨などにできる肉腫も多い。
子供は自分の症状を正確に訴える事が難しく、進行も早いので転移してしまってから診断される場合が多い。しかし、抗がん剤や放射線治療などはかなり効果が期待でき、年間約2000人以上が発症しているが、現在では治癒率が7割に達している。
治療終了後、数年後に晩期障害(抗がん剤や放射線点射などの治療による後遺症)でC型肝炎、成長障害、神経障害、ホルモン分泌障害、不妊、心的外傷後ストレス障害などが、小児がんを経験した半数近くの成人にみられる。
小児がんを克服した人たちの健康管理や晩期障害、心理社会的問題に焦点を絞ったケアが必要だが、まだその支援体制は遅れており、治療終了後の新たな支援体制が求められる時代になった。 |
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