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●腎細胞がん
判別率の高いDNAチップ開発 東レ、京都大学 |
2005/12/24 |
東レと京都大学は内視鏡検査などで採取する耳かき一杯ほどの組織を基に、がんか否かを高精度で判別し、転移のしやすさも予測できる診断チップを共同開発した。対象は食道がんと腎臓がんで判別率は85%以上と極めて高く、臨床研究を進め、製品化を目指すとしている。
この診断チップは、DNAチップと呼ばれる遺伝子解析器具の一種で、東レは高分子技術を応用し一般的なガラス基板より百倍以上感度の高い合成樹脂基板のチップを開発していた。今回の開発はこれを利用して京都大学と共同開発をしていた。
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日本の腎臓がん患者数は増加、進行した患者も増加の可能性 日本癌治療学会 |
2005/10/26 |
日本の腎臓がんの患者数が増えている可能性が明らかになった。腎癌研究会が2002年に行った全国調査の結果から明らかになったもので、調査の詳細が2005年10月26日に日本癌治療学会で発表された。
研究グループは、常勤の泌尿器科医がいる施設を対象に調査を実施し、2002年に腎細胞がんと診断された症例数を収集した。
その結果、2002年に腎がんと診断された症例は男性で5063例、女性で2342例で合計7405例であることが明らかとなった。1997年に行われた同様の調査では男女合計で6358例であった。日本における腎臓がん死亡率が減少していないことから、1997年からの腎臓がんの罹患率の増加傾向は画像診断技術の向上と偶発がん発見の増加によるものではなく、進行したがんの発見も増えていることが考えられるとした。
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腎臓がんの肺転移にはインターフェロンの免疫療法 |
2005/9/14 |
通常、がんの転移がある場合は摘出手術などの手術を見送る事が多いが、腎臓がんの場合は、腎臓が二つあることもあり、がんのある方を手術で取った上で、肺や肝臓の転移に対しインターフェロンや手術による治療を行う。
腎臓がんは進行がゆっくりしたタイプが多いので、がんが進行した状態で見つかっても、薬でがんの増殖を抑えながら生活する事が可能。
インターフェロンは、C型肝炎ウィルスの治療薬として用いられるが、進行した腎臓がんにも効果が認められている。ただし、個人差は大きいが、副作用で発熱や風邪のような症状、抑うつ症状が強く出る事もあり、体力のない高齢者は治療が難しい事もある。しかし、人によっては肺に転移したがんが縮小し、ほとんど消える場合もある。
インターフェロンによる免疫療法は、がんが腎臓の外まで広がった3期、他臓器に転移した4期が対象。肺転移の4割に有効だが、脳や肝臓、骨への転移にはほとんど効果がない。インターフェロンの他にも、がん細胞を殺すリンパ球を増やすインターロイキン2があるが、高価で入院・点滴が必要。
インターフェロンの自己注射は保険がきいて、3割負担の月7万円程度の自己負担になる。
また、がん細胞を攻撃する「分子標的治療薬」という新タイプの抗がん剤開発も進んでおり、インターフェロンが効かない患者に対する治療として、新薬の登場が期待されている。 |
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